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 日本食文化環境研究所

 

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 食育デザイナーエッセイ   食育デザイナーとして活躍中の、キラリ人材をご紹介します。

 食育&子育てエッセイ 食育〜子どもと一緒に〜

食育・続ける・日々勉強2


山根美奈

 先日、ミニトマト第1号が赤く実りました。 
 明日にでも取ろうかなと思っていたら、
 子どもが、「見つけたでー」とそのオレンジ色のトマトを
 もぎ取ってきて、私の目の前でぱくりと1口で食べてしまいました。
 私も、食べてみたかったのですが、
 子どもが思った以上に喜んでいたのでそれでよしとしました。

 次の実では、トマトの種探しを”忘れないように”したいと思います。

 今年の夏は省エネ&エコで、暑さに耐えなければならないようですね。
 怒ると暑くなるので、今年の夏は「怒らず、coolな夏」にしたいです。
 これは、子どもの協力が必要です。
 「怒ると暑くなるから、お母さんを、怒らすようなことはしないでね」と、
 一言頼たのんでおかなければ。 

食育・続ける・日々勉強


山根美奈

 甘いものについての質問をされたことを書きました。

 解りやすい答えが出なかったことがショックでした。

 知識として解っているつもりでも、それを子どもに伝えることは
 解っていなかったんだなーと反省しました。
 
 最近は食卓での”食の話”も少なくなってきていました。
 さりげなく、楽しく、続けていかなければ!
 思いついたのが、種探しです。
 次、トマトを食べるとき、トマトの種を探してみたいです。
 (探してくれるかしら?)

 体の細胞の一つ一つになる食べ物です。
 やっぱり、その大切さを”忘れてたー”にはしたくありません。
 食に関する情報も日々新しくなっていきます。
 難しいけれど、考えて、伝えていかなければと思いました。 
 
どうして甘いものを
食べてはいけないの?


山根美奈

 子どもから、スーパーでの買い物中に発せられた問いです。
 禁止したつもりはないのだけれど、
 いつも「チョコレートはちょっとにしときよ」とか言うからでしょうか。
 
 「この前読んだ砂糖の本に、甘いものを食べると幸せな気分になるって
 書いてあったよ。幸せな気分になっちゃあいけないの?」
 
 そんなことはありません。
 しかし、そう聞かれて、即答できませんでした。
 頭に浮かんだのは、甘いものでカロリーを取ると
 ご飯が入らなくて栄養がとれないから、とか、
 甘いもに慣れるともっと甘いものがほしくなるから、など難しい言葉でした。
 
 「何でも、食べ過ぎはよくないんだよ。
   甘いものはおいしいから、たくさん食べたくなるから
 気をつけないといけないんだよ。」
 
 私が後で考えた答えです。
  こういう事に答えるのも”食育”なんだと思った1コマでした。

なにがあっても
生きると思うこと


山根美奈
大地震が起きて大変な事になりました。
こんな時に子どもに願い伝えたいことが浮かびました。

「なにがあっても生きようと思ってね」

もうだめだとあきらめないでほしいです。
心に深くきざんでその時が来たとき、 思い出してほしいです。
離ればなれになっても、 生きていれば会えるときが来ると信じています。

「うん」

子どもはわかったのかどうだかわからない返事をしましたが これから機会があれば言っていきたいと思います。
何度も何度も忘れないように。
今年の節分


山根美奈
小学3年生にもなったら、学校で鬼のお面や豆まきなんか、
しないだろうなと思ってました。
ところが前日、新聞紙で豆を作っていくと言い出しました。
聞くと、鬼のお面を作ったと教えてくれました。
鬼に自分の嫌いな所を書いて、それを退治するというのです。
とても、おもしろいアイデアだと思いました。

家では、私ががんばって、海苔巻きを作りました。

子どももやっと、「節分に海苔巻きを食べる」というのが
定着したようです。
まだ、1本は食べきれないので、半分ですが丸まましゃべらずに食べきりました。
来年は1本食べられるかなと思いながら食べるところを見ていました。

好きなものなら


山根美奈

小学3年男子の我が子も、フードアプローチのお料理教室に通っています。
1月のメニューのあんかけ焼きそばがすごくおいしかったようで、
私の味見分もなくぺろりと全部一人で食べてしまいました。
そして食べ終わってすぐ、「また、作って食べたい。」と言いました。びっくり!
わたしもすかさず「うん、また家で作ろう。」と返事をしました。

今までは、食べたければ、「ママ、作ってね」と頼んでばっかりでしたが、好きな食べ物は
作って食べたくなるのですね。

好きなものの威力に改めて感心しました。
そして、この作りたいという気持ちが消えないうちに、ぜひとも作ってもらい、
お料理好きになって欲しいと思ったのでした。

家族で作ったクリスマスケーキ


山根美奈

今年は初めてクリスマスケーキを、子どもと一緒に作ることにしました。
 
スポンジケーキから作りました。材料を計るところからやってもらいました。
卵が一つ足りなかったので「買ってきてくれる?」と頼んだら
「うん、行ってくる!」といって、おつかいもできました。
スポンジケーキは材料が、卵、砂糖、粉とシンプルで計りやすく、作りやすかったです。
子どももクリスマスケーキと言うことで、がんばり度も上がっていて、途中で投げ出す事無く
作りました。
 
子どもはケーキがオーブンでふくらんでいくのを「うわー」とすごく興奮して見ていました。
 
デコレーションはパパとしました。
いちごを間にはさみ、生クリームは塗るだけだでスッキリと仕上げてました。
 
ケーキなんてまだ難しいのでは?と思いましたが子どものがんばりと成長には
びっくりしました。
一緒にケーキを作ってみて分かりました。
少し難しいかなと思っても、出来そうなことを任せたことが、最終的に子どもの頑張りを
引き出せて、良かったのだろうと 感じました。

みそ作りの効果

山根美奈

この夏、子どもがみそ作りを体験しました。
 
工程としては一番簡単な
@蒸した大豆をマッシャーでつぶす
A計っておいた塩を麹とゆで汁を混ぜる
B厚めのチャック付きポリ袋に入れる
までをしました。
 
作ってから2ヶ月たって、香りも色もみそらしくなったので
それでみそ汁を作りました。
それが、甘くてすごく美味しかったのです。

「○○くんの作ったみそ、美味しいねー」
それをきいた子どもの嬉しそうな、得意そうな顔。

喜んでもらえたというよりは
まだ、単純に美味しくできて嬉しいという感情が大きいようです。
しかし、あんなに喜ぶとは思わず、びっくりしました。
生きる喜びは嬉しさの積み重ねだと思います。
そのひとつになったようで、私もうれしくなりました。

あいさつのいみ

山根美奈

「おはよう こんにちは さようなら・・・」
 
あいさつをしましょうと学校ではよく言われますが、あいさつをしても返事がなくて、悲しい
思いをしたことも何度かあります。
あいさつがいやにならないように、私はこう考えることにしました。  

「あなたが、そこにいてうれしい」と伝えること、存在の肯定の一歩があいさつだと。
 
おはよう=あなたがいてくれてうれしい
こんにちは=あなたが生きていてくれてうれしい
うれしいを伝えるあいさつだと思うと、あいさつが楽しくなりませんか?

いただきます、ごちそうさま=一緒に食事ができてうれしい
食事の時も「あなたがいてくれてうれしい」が子どもに伝わって、元気になってくれたら
いいなと思います。

晩ご飯クイズ!(後編)

山根美奈

『カレー』
上級編  「カレー、美味しい?」
      「うん、おいしい!」
      「何が入っているかわかる?」 
      「じゃがいも!」
      「正解!じゃあ、そのじゃがいも、男爵?メークイン?」
 
      「にんじん!」、「その切り方、なんていうかわかる?」
 
      などレベルに合わせて問題を変えます。
 
      「今日のルウはどこのでしょう」「こ●ま●」
      「正解!よく知ってるね〜」
      「知っているよ。うちはいつも、それでしょ。こんどはバー●ン●
       カレーが食べたいな。」 
      「じゃあ、自分で作ってみる?」
 
      なんて、上手くいけば子どもがカレーを作ってくれるかも!   
 
このほか、「隠し味は?」とか、「ケチャップは入っているでしょうーか?」などできます。
会話もできるし、我が家の味を伝えることもできます。
慣れてくると普段の食事や外食の調味料の当てクイズをするのも楽しいですよ。
晩ご飯クイズ!(前編)

山根美奈
我が家では晩ご飯の時に、たまにおかずの食材当てクイズをします。
子どものぱくぱく食べているおかずでするのがポイントです。
 
たとえば『カレー』
 
初級編  「カレー、美味しい?」
      「うん、おいしい!」
      「何が入っているかわかる?」
      「たまねぎ!」「ピンポン!」
      「にんじん!」「ピンポン!」
      …
幼稚園児くらいからやっていると、自然に食材の名前を覚えたり、
自分の好きな野菜の名前を覚えられます。スーパーや八百屋での食材クイズも
できるようになります。
小学生ぐらいになると、実、葉っぱ、根っこのどの部分を食べているかも
クイズにするといいかもしれませんね。
食べる用意

山根美奈

「ごはんできたよー、食べる用意してー」と一声。
お箸、箸置き、小皿の用意を子どもに
お願いしています。 
6歳くらいから始めて、9歳になる今も続いています。
小さいときは、トレーに家族分のお箸、箸置きをまとめておくと
わかりやすく、喜んでならべてくれました。
手渡しも、良い方法だと思います。
 
そこで、小学1年生の時、こんな事を言ってみました。
「パパのを一番先にしてあげてね。
そうすることで、パパのことを大切に思っているよって
ことが伝わるからね。」
 
すると、パパの分だけでなく、ママの分も
自分より先にならべたり、ご飯を持っていったり
するようになりました。
子どもの分を先に渡すと、「違う、ぼくのは最後!」なんて、
怒られたりします。
形からですが、人を思いやるということは、どういうことか、
考える習慣がついたらいいなと思います。
子ども用「マイ箸」のすすめ

山根美奈

外食の多い我が家では、土日のお出かけにはマイ箸を持っていくようにしています。
エコに貢献してるなーと、ちょっぴり気分が良くなります。特に子ども用マイ箸は使いだして良かった点がありました。

●外でお箸の使い方で注意することが減った。
   うちの子は小学校低学年です。大人用箸だと使いにくいので変な箸使いをしますが、
   いつもの大きさだと上手に使えます。

●食べ物を落とすことが少なくなり、食べ終わるのも早くなった。
   結果、これも注意することが減りました。

●お店の人にほめられ、子どもが喜ぶ。
  「えらいねー」など声をかけられることで、コミュニケーションが生まれる。
  お店を出るときも、「ごちそうさまでした」と、子どもがすんなりあいさつできるようになりました。

お店も最近は幼児用のスプーン、フォーク、お椀は用意していますが、短い子ども用の箸はまだまだです。小学校低学年ではお箸の持ち方もしっかり出来ない時期の子もいます。長い箸を使わせ、食べるのが遅いや、ちゃんと箸を持ちなさいや、注意をしたり、いらいらする代わりに、 
子どもマイ箸、いかがですか。





 川津さんは、芦屋のご自宅で子ども達を対象に
       パンとお料理の教室「スタジオ パ・バローン」を
       開かれている素敵な先生。日頃の子ども達との
       触れ合いから、たくさん感じることがあると
       おっしゃっています。

 『私の食育』

  今、こうやって子供達にパンやお料理を教えている私の根源は、子供の頃台所に立つ
 母の横で色々なことを見て、触って覚えた事に行き着くのではないかと最近よく思う。
  かつて魚屋、八百屋、お肉やとお店がそれぞれあった。お店の人達とのコミュニケー
 ションの中で旬のものや、調理方法や食材について学ぶ機会が多々あった。スーパーで
 売っている魚の切り身ではなく、それ自身の姿のままの魚を買って来て家でさばく。
 母は魚をさばく時、よく私を呼んでくれた。
  烏賊の口や墨が入っている袋、魚の部位、三枚のおろし方などそれはそれは楽しかった。
 プロからすれば間違った方法もあったのかもしれないが、私は未だその方法を守り、教えて
 いる。出来上がった料理にも何となく親しみを感じていたと思う。果たして、このような光景が今、
 台所で見られるのだろうか・・。加工品ばかりの食材では難しい、更に習い事、塾の宿題に
 追われ難しい。最近の子供は本当に忙しいのである。少しの自由時間はゲームに費やされ、
 料理など手伝っている暇はないのである。
  私の教室に通って来る子供達は、ほとんど幼稚園児から小学校低学年である。どの子も
 大事に育てられているのか、包丁を見ると少し顔が強張る。きっと家では危ないからと握らせて
 もらっていないのだろう。しかし、子供達は包丁で切るのが大好きで、上達も早い。率先して
 取組もうとする。きっと少し成長した気分になるのだろう。誤って指を切ったとしても意外と
 泣かない。危ないと認識した上、納得してやっているからだと思う。この失敗でまたひとつ成長
 していく。
  日本には素晴らしい四季があり、その季節毎に行事もある。これに伴い旬の食べ物が沢山ある。
 その季節でしか味わえない物を食べたり、日本ならではの習慣を学ぶ事も、大切な事だと思う。
 普段の好き嫌いはどこへやら、自ら作った料理は特別なのか、よく食べる。それも幸せそうな顔で
 よく食べる。
  家庭で母親が家族の為にせっせと作る、朝早く起きてお弁当を作る、この姿はいつの間にか
 潜在意識の中で自覚はないが、子供は愛情を感じるのだと思う。愛情の押し付けではないが、
 ご馳走は人の心を掴むのにとても効果的である。
  最近、少しずつ問題視されている添加物、その実態は闇に隠れて姿が見えない。添加物で
 味付けされた食品に慣らされる前に、本来の味を覚えてほしいと折に思う。
  このご時世、添加物を一掃することなど無理である。では、できる限り最小限におさえるように、
 手作りできる物は家庭で作りたいものである。未来ある子供達に既製品と手作りを見極める目、
 味覚を持たせる。これは私達大人の役目である。私の力など微力ではあるが、これをポリシーに
 これからもやっていこうと思う。
  楽しい食卓、これに楽しい会話があれば尚ステキである。
 楽しい食卓が基盤となり、子供達は安心して自立していくのではないだろうか。





       中島さんは、福岡でお米屋さんをされています。
       さらに、食材やメニューを厳選した体に優しいお弁当
       も販売され、地域の方から頼りにされる素敵な女性
       です。その人柄に触れてみたい方は、ぜひ屋部商店
       さんのホームページをご覧下さい。
        http://members.jcom.home.ne.jp/yabeshoten/

 『食味が感じられなくなって思ったこと』

 私は6月の中頃、風邪を引き激しい咳と高熱で倒れてしまいました。幸い何事もなく3日程で熱が下がり、
 お粥ですが夕食をとることが出来ました。やっと嬉しいご飯です!
 しかし、ここで予期せぬ出来事。ひとくち? ふたくち?? 料理の味がまったくしないのです。
 塩味も甘味もその他の味、においさえもぜんぜん感じられないのです。がっかりでした。食後試しに、
 大好きなミルキーキャンディーを口に入れてみました。さらにがっかり。あの甘いミルキーの味さえ
 分からないのです。せっかく熱が引いたのに、食事の楽しみがなくなってしまいました。

 何が一番困ったかというと、私は米屋をしながら店内でお弁当も作っているのですが、味見もまったく
 出来ず、勘をたよりに作るしかないのです。手伝ってくれている息子のお嫁さんに味を確認してもらい
 ながらの共同作業でした。それはそれで楽しいのですが、いざお客様にお料理を渡すときに「こんな形で
 お出ししていいのだろうか」と、とても不安にかられました。仕事の充実感も得られず、気ばかり焦りました。

 結局2週間ほどで元には戻りましたが、その間の不安と無気力感は忘れないでしょう。
 簡単に味覚障害と言葉にしていたけれど、これ程まで心に大きな影響を与えるとは思いませんでした。
 今、本当に食べることを楽しむ私は幸せだと思います。





       三橋さんは、小さなお子さんをお持ちのお母様。
       何でもシャキシャキとこなされる三橋さんですが
       食の勉強をしようと思ったきっかけをお聞きすると
       料理があまり得意でないから、だそうです。
       それなのになんて前向きで、家族思いのお母様と
       関心することしきりでした!フードアプローチの
       スタッフとしてもご活躍頂いています。

 食べ物の好き嫌いはどうしてできるのでしょうか? 「食」についてかかわりを持つ私も食べ物の
 好き嫌いを多く持っています。
 先日、家族で外食したときのことです。テーブルへ運ばれた器のふたを開けたところ、大きな椎茸が
 きれいに盛り付けられていました。「あっ!」と思わず小さな声を出してしまった私。「椎茸」は大嫌い
 なのです。その様子を隣で見ていた4歳の息子が、「鼻をつまんで食べなさい」、「好きなものだと思って
 食べなさい」と何度も言うのです。
 最近幼稚園の先生から「嫌いなものの食べ方」として教えていただいたようなのです。息子の幼稚園は
 週3回が給食で2回がお弁当です。給食のときもお弁当のときもきれいに食べて、先生に見てもらうそうです。
 作ってくれた人へ感謝の気持ちを持ち、好き嫌いをせず、残さずに食べることをしっかり教えていただいて
 います。担任の先生は、外国の方なのですが、「嫌いなものの食べ方」は先生が小さい頃お母様から
 教えられたそうです。私は、「食」への考え方は世界共通だなあと感激し、「食」の大切さはこういう日常の
 出来事から学ぶものではないかと改めて感じました。
 「食」は、感謝していただくこと、誰かと楽しくいただくこと、残さずいただくことが大切だと思います。
 まず、私の家族に「食」の大切さを感じてもらえればうれしいです。その次は「食育デザイナー」として「食」の
 大切さをお話できることを目標としています。





       川崎さんは、JOB CLUBでもご案内した
       「笑顔の米屋いづよね」さんの店長。子どもに大人気の
       とっても素敵な「お兄ちゃん」です。(まだお若いので)
       お米と体にいいものへの情熱は並々ならぬものをお持ち!
       ぜひ、6月21日のイベントへ足を運んでみて下さいね。

 まいどどーもぉ!
 今回、初めてエッセイを書かせていただく神戸の米屋のてんちょ〜でございます!!

 先日、全農庄内さんと米卸さんの協力で山形県の庄内平野へ田植え研修に行って
 きたんですけど、田植え研修って、手で植えるイメージないですか?
 僕も腰をかがめて手でひと株ひと株、植えさせてもらえるのかなぁって思ってたら・・・
 田んぼに到着して目の前に登場したのは田植えマシーン!

 まさか、まさか、田植え初心者の僕がひとりで田植機に乗せさせていただくなんて
 思ってもみなかったのでめちゃめちゃ感動しました♪

 そしてもっとビックリしたのが、他にも米屋さんが2人参加してたのに、この時の様子が
 僕の田んぼだけ全農庄内さんのサイトで紹介されてるんです!
    http://www.shonaimai.or.jp/topics/index.html
 め〜ちゃ嬉しい♪

 お世話になった農家さんに「絶対、秋の稲刈りも来てねぇ〜」って言われて今から収穫の
 時期が待ち遠しいです(^^)





       鈴木淳子さんは、山形県で様々な食のお仕事をしておられます。
       お料理から農業まであらゆる面で、子ども達や地域の方と
       関わりながら、ご自身の郷里の良さを大切になさっています。
       そんな活動が周囲の方の共感を呼ぶのは当然のこと。
       素敵なエッセイをどうぞご覧下さい。

 「思いをこめて」

 今年3月に、山形県のPTA連合会の会長さんから突然手紙が私に届きました。内容は、

   @今年7月にPTA50回記念大会に「地元の先生」をパネリストとしてお願いしたい

   A聴衆者は小学生・中学生の子どもを持つ「子育て真っ最中のお母さん」が多いので、
     「子育て」について聴衆者の共感を得られ、会場と一体となれる人

   B健全な子育てと「食育の重要性」、「育むいのち」をお話してくれる人

   等を考慮した結果、PTA関係者及び学校職員満場一致で「ぜひ鈴木先生に」お願いしたい。

 というものでした。この手紙に、もう私は大感激!!
 いろいろな活動をしてきた事が、地域に、私の想いが根付いてきたと感じたのです。

 先日、ベニバナの種を畑にまきました。7月初めに、ベニバナの花は満開になります。
 私も食育デザイナーとして、想いをこめて自分の花を咲かせようと思います。






        馬場絵里奈さんは、広島の大学院で生物資源開発を研究されて
        います。まだまだお若いのに、しっかりした考えを持って積極的に
        行動され、本当に見習うところがいっぱい。食品廃棄物の問題は、
        分かっていても知らぬふり、というのが多いです。人事ではないので
        きちんと理解していきたいですね。

 
 「食べられる食べ物、食べられない食べ物??」

 ひとり暮らしを始めて、早7年。お金の管理やら、生活の知恵やら、家事にかかる時間の使い方やら、
 日々勉強になることがたくさんある。その中で、7年経った今でも四苦八苦するのが、ひとり分の食事を
 作ること。とはいえ、同じ食材で違う献立を考えるとか、まとめて作って保存するとか、揚げ物はせずに
 惣菜を買うとか、苦心する部分は沢山あるが、料理好きが幸いして、そんな苦労も実は結構楽しんでいる
 毎日である。
 その上で、調理屑をなるべく出さない、食材を腐らせないなど、せっかくの素材を無駄に廃棄しないことにも
 努めている。なぜか。
 それは単に「(お金や食材が)もったいないから」だけの理由ではない。

 食品廃棄物の現状をご存知だろうか。
 食品製造や加工段階で生ずる残渣をはじめ、スーパーやコンビニから廃棄される売れ残りの弁当類、家庭や
 飲食店から出る食べ残しなどが含まれている。合わせると、年間数千万トンもの食品が廃棄されている。
 数多くある報告の中で、身近なところを見ると、台所から出る生ゴミのうち、40%は食べ残しや腐敗などによる
 食品の直接的な廃棄であるし、小中学校の給食でも、作った分の約20%は食べ残されているという。
 また、結婚披露宴や各種宴会における食事の25%も廃棄されているのが現状である。もっと分かりやすく言えば、
 日本では毎日1人1食をゴミとして出している計算になるという!!
 廃棄物問題は、地球温暖化や酸性雨などの環境問題と並んで、社会的な課題のひとつになっている。
 輸入してまで食べ残す国、ニッポン。楽しくおいしい食卓の裏側には、非常に驚くべき現状が隠されているのだ。

 私が小さい頃、「ご飯粒は残さず食べなさい」と両親によく言われた。もちろん米に限らず、おかず類もそうだが、
 「残さない」ことは、感謝と思いやりの気持ちを表すひとつの表現だと感じている。

 ―食事を作ってくれてありがとう。
 ―食材を運んでくれてありがとう。
 ―野菜を育ててくれてありがとう。
 ―卵を産んでくれてありがとう。

 食べることだけでなく、その食を取り巻く環境にも注意すると、また違った「食の大切さ」を発見できる。
 「食」からさまざまなことが見えてくるのが面白い。
 今日も冷蔵庫にある食材とにらめっこしながら、夕飯のメニューをあれやこれやと考えている。





         長田幸浩さんは宮城県の農家さん。農業に携わる方
       ならではのすばらしい視点を持ち、なおかつそれを
       実行していらっしゃるところがすごいです。
       お客様や子ども達とのコミュニケーションを大切にして、
       その期待に応えようとするスタイルは見習いたいですね。

   「故郷からおコメが届く日」

 「みんなが社会に出て、本当に苦しくなった時、長田先輩におコメを送れとメールしてほしい。
 小学校の時、みんなで田植えをしたあの田んぼでつくったおコメを送ってあげよう。
 先輩とみんなとの約束だ、頑張れ」。
 地元の小学校の5年生120人に総合学習でおコメの講師を始めて7年なる。私も卒業した
 小学校なので長田先輩と呼ばれている。
 毎年、学校で種を播き、我が家の田んぼで田植えをして、除草、生き物調査、稲刈まで
 体験している。また、何度か学校に出向いておコメと食育の授業も行う。稲の生育状況は
 インターネットで公開し、掲示板では質問も受け付けている。時にはメールでの質問が多数
 寄せられ徹夜で回答することもある。そして、何とか1年間頑張って、最後のまとめの学習の
 日に子供たちに送るのが冒頭の言葉だ。
 私は農業を始めてもう30年になる。間違いのないおコメ、信頼されるおコメ、本物のおコメを
 求めて研究を続けてはいるが未だに理想のおコメには程遠い。が、その誠意だけはお客様に
 届けようと様々な取り組みを行ってきた。その一つが総合学習なのだ。いろいろな取り組みの
 お陰でなんとか500軒のお客様に直接おコメを届けられるようになった。
 おコメを配達しながら田んぼ、畑、健康の話をしているうちに、お客様は「○○品種を××の
 ような作り方をしてください」と栽培方法まで注文を出すようになり、ついには「健康のためには
 雑穀、紫黒米、赤米も」と言い出し、挙句の果てには昨年から「雑穀料理教室」までさせられる始末、
 気ままなお客様ばかりであるがこれが最高に楽しい。我が家の田や畑はまるでお客様に占領
 されているかのようだ。
 考えてみれば500軒とはお客様の家族2,000人の食と健康を預かっていることになる。
 だから、ちょっとのミスも許されない。ミスを防ぐためには、おコメの知識だけでなく周辺の環境、
 栄養、健康まで幅広い知識を持つ以外に方法はない。水田では植物図鑑を広げ、土壌分析をし、
 化学式で確認することもある。精米の時は手を何度も洗い白衣と白い帽子を被って行う。
 お客様からいろいろ質問されて「わかりません」とは絶対言えないのだ。いつも緊張とストレスの
 連続である。この緊張が続き苦しくなったときは必ずお客様が喜ぶ姿を思い出すことにしている。
 美味しいと言ってお腹いっぱいに食べている子供たちの姿を思い浮かべる。そう、人間はなぜか、
 苦しくなったときには昔のことや楽しかったことを思い出す習性があるらしい。
 今年の5年生も10年後には成人となる。社会に出る人もいれば家庭を持つ人も出てくる。
 世界を相手に働く人も出てこよう。みんなが健康で元気に生きてほしいが、仕事などで本当に
 苦しくなって私にメールをくれたとき、間違いのないおコメ、信頼されるおコメ、本物のおコメを
 後輩の諸君に自信をもって送ってあげたいと思っている。




      黒岩靖子さんは学校の保健室にいらっしゃる先生。エッセイを読んで
      こんな先生が、我が学校にもいてくれたら!と感じる方も多いと
      思います。黒岩さんにように愛情いっぱいに、あまねく公平に
      子ども達を導いてくださる先生が、たくさん増えるといいですね


 「最近感じる二つのこと」


 
一つめは「これからの子ども達は大丈夫?!」

 仕事柄(保健室のオバサンとして)保健的立場で、生徒の様子を日々見ています。

小規模校ですが、とても勉強やスポーツでの活躍が著しく、素朴で優しい生徒ばかりです。

その反面、骨折が多い・・。午前中何となく体調が悪いと訴えて来る子が多い・・。
 心が病んでいる子が多い・・。給食の残量が多い(野菜・主食)・・。お箸が正しく持てない・・。

 いろいろと様子を見る中で、やはり「食」に問題があるのではないだろうか?と感じています。

 朝食を毎日食べてくる生徒は約95%いましたが、内容を見ると飲み物だけ、パン半分だけ
 などと、内容は充実していません。給食の残量調査では、主食(特にごはん)が約30%、
 野菜類の副菜が約40%、お肉などの主菜になると約1%くらいしか残らない・・・驚くべき
 現実の結果。

 好きなものを好きなだけ食べられる今の時代を現しています。

 生活習慣病予防健診では、将来の生活習慣病予備軍がなんと50%を超えるほどいるのです。

 生徒の中には「食べるの、めんどくさい!」と言う子もいます。ただただ悲しい現実です。

 そんな生徒達を見ていると、これからの世代で活躍していく生徒一人ひとりの身体の中が
 心配になってきてしまいます・・・。

飽食の時代と言われ、最近「食育」の見直しが進んでいます。とても嬉しいことです。

 生きていく上で最も大切な「食」を、誰もが心も体も健康で生活できるよう、生徒に伝えて
 いきたいと思い、保護者・教員・生徒を巻き込んだ食育の授業をしたり、いろいろな食の
 セミナーへ参加したり・・
自分自身も向上できるよう心がけています。

 生徒達には、今の食生活が将来病気にかからない(特に生活習慣病)体を作るかどうかを
 決めることにつながっていることに気付き、将来に向け、自分の健康は自分で守ろうとする
 意識を持ってもらいたいと、日々給食の残量を見ながら、色々な思いを感じている今日この
 頃です。


 二つめは「偽物?」「本物」

 自給自足のド田舎生活(苦笑)で育ってきた自分にとって、最近口に入るものは「食べ物」と
 言えるのだろうか??
と言う疑問が、スーパーやお弁当、給食など食材を見るたびに感じて
 しまいます。

 「本物」の食材を多くの人に知って欲しい。有機野菜と言って売っている野菜、本当に本物で
 しょうか?
自分で育てた野菜の味を知っている人はわかると思います。

 現実、体に悪い食材ばかりが売られています。どこの国でどのように作られた食材かわからない
 ものばかりが口に入ってくる日本。
米の減反政策。輸入自由化。自給率の低迷。

 少しでも多くの人に、「本物」の味を伝えていきたい。「本物」と言うものを伝えていきたいです。

 「食べ物」読んで字のごとく人に良い物でなくてはいけないのです。

 「偽物」に騙された味覚をしていませんか?


 二つのことを最近感じる機会が多くなりました。今後食育デザイナーとして、多くの人にもっと
 伝えて生きたいと思っている今日この頃です。




         原 晃子さんは、本当に熱心に食育について考えて
       おられる方です。
ご自身にできることは何かと日々
       模索され、マクロビオティックを
学ばれたり、横浜の
       子ども料理教室も毎回お手伝い下さいます。
そんな
       原さんのエッセイは、忘れそうになる食の本質を呼び
       起こ
させてくれます。手作りの食事は、穏やかで地味
       かもしれませんが
丁寧に作られ、工夫に満ちている
       ことは間違いありませんよね。


 2カ月ほど前、私の父が「脳梗塞」で倒れました。幸い、早急な処置と本人の懸命な
 リハビリにより今では生活していく上で、殆ど支障のない程度に回復しました。
 今まで大病もしたことも無く、半年ごとに受けていた健康診断でも毎回パーフェクトに
 近かった人でしたので、私たち家族は大変な驚きでした。

 しかし、倒れる前の数ヶ月を考えてみると・・・仕事やその他のいろいろな雑事に追われ、
 不規則な生活になり、外食をする機会も多く、家族で食卓を囲むことが少なくなって
 いました。今思えば、この急激な生活リズムの変化と食生活の乱れが引き金になったの
 かもしれません。

 退院の際、担当医の先生から家族向けに、今後の生活の注意点や栄養指導などが
 ありました。やはり、食生活には気をつけていかなければならず、病院食?治療食?
 などと、難しく考えてしまい、頭を悩ませていました。
 そんな私に先生が「小食・和食・薄味でいいんですよ・・」というアドバイスをくれました。

 そんな簡単に言うけど・・・と思いましたが、それをキーワードにして日々のメニューを
 考えているうちに、意外にも以前のメニューよりもアイディアが出てくるようになり、幅も
 広がりました。

 父の入院中は家と病院との往復の生活だったので時間がなく、ほとんど外食や惣菜を
 買って食事を済ませていたので、少し体重オーバーになっていた私ですが、ダイエットも
 できました。

 考えてみると、「小食・和食・薄味」とは日本の伝統的な食生活ですよね。
 「飽食」の時代に、原点回帰してみてはどうでしょうか。


       山崎百合さんは、食品関連の会社で営業のお仕事を
       されておられます。老人ホームなどに給食をご提案
       される上で、相手の身になってよりベストな食事を
       ご提供したいという観点から食育と向き合っていらっ
       しゃる素敵な方です。そこまで考えてご提案して頂け
       る給食は、私たち消費者にとって本当にありがたい
       ことですね!

 「やっぱり落ち着く、日本の味」

 長かった梅雨が明け、眠っていたセミが精一杯命を燃やす今日この頃。「蒸し暑い・・・食欲が
 ない」。そんな時オススメなのが、「冷汁」です。冷汁はもともと宮崎の郷土料理ですが、長崎の
 私の祖父母の家でもよく食べていた懐かしい味。材料も作り方も家庭それぞれですが、我が家
 の作り方はごく簡単。

 @ すった大量のゴマに、薄くスライスしたキュウリと大葉、煮干(又は干物を細かくしたもの)を混ぜる。
 A 氷水にお好みの濃さで味噌をとき、@とあわせる。
 B ご飯(そうめんなどでもOK)にかけて出来上がり!

 食欲のない夏場でも、その冷たさとさっぱりした味に「食欲がなかった」ことを忘れるくらい、ご飯が
 進むこと間違いなしです。

 さて、冷汁にも使われている「ご飯」「味噌」そして「漬物」は、食の多様化が進んだ日本の忘れては
 いけない基本の味。それぞれが栄養源である上に、この3つをセットで食べることに大きな効用が
 あるのです。

 ●ご飯+味噌汁
 どちらも必須アミノ酸を含む良質のタンパク質ですが、両方一緒に食べることで違うアミノ酸をカバー
 しあう、最強の組み合わせ!

 ●ご飯+漬物
 漬物の塩分がご飯のデンプン質を消化し、また「噛む」ことでさらに唾液から消化酵素が出ます。
 ご飯のデンプンがエネルギーに変わる時必要なビタミンB1も、ぬか漬けなどには豊富に含まれている
 ので、効率よくエネルギーに変えることができます。

 鎌倉時代か続いているというこの「ご飯、味噌汁、漬物」の組み合わせ。内容は変われど、イチバン
 日本人の胃に「ほっ・・・」とする味じゃないかな、と、今年も母の作った冷汁を食べながら思うのでした。



       広瀬さんはエッセイからも伝わってくる通り、心豊かで
       優しさ溢れる方です。地域色豊かな食の知識もたくさん
       持っておられ、年若い同僚からお料理を教えてほしいと
       頼まれるそう。春に福山市で行われた子ども料理教室
       にも、快く応援に駆けつけて下さいました。
       「豊かに暮らす」本当の意味を教えてくれる、素敵な
       エッセイです!

 日本昔話のなかに出てくるような、山の中で育った私は、今の時期になると大きな西瓜を両手と
 両足でかかえ、ひざを曲げて歩いていく
猿の後姿を思い出します。猿はおいしい西瓜を狙って
 いたのかもしれません。
いま、うちの畑にも大きな西瓜が真夏の太陽の日差しを待っています。
 そして、その西瓜をお年寄りも待っておられます。老人ホームで高齢者にかかわり10年になり
 ます。春、夏、秋、冬とお年寄りに、四季折々の食べ物を
ほんの少しでも食べて、その時期を
 感じてもらいたいと思いはじめました。
そのかかわりで、昔からの行事食を教えてもらうなど、
 いい関係作りが
できているように感じています。
 今の時代、お金さえあればどこでもほしいものが手に入る時代です。
 今、豊かなことが、我慢できない社会を作り出してしまったように思えてなりません。
 食を通して心が豊かになれるように、家庭の味を伝え、安心、安全な食卓を目指したいと思います。



       鍛冶田淳子さんは食品関係の会社にお勤めされていて、
       お仕事に食育を活かしたいと熱心に勉強されています。
       最近はテーブルコーディネートにも興味を持たれているとか。
       おいしい食事はテーブル上や空間の雰囲気も大切。
       そんな考え方が食品業界にも広く反映されたらすばらしいですね。
       期待でいっぱいです!

 「お盆の過ごし方」

 本来、旧暦の7月13日〜16日の4日間をお盆といいますが、今では8月13日から4日間をお盆として
 過ごす地域の方が多いそうです。理由はいろいろと言われていますが、旧暦を新暦になおすと8月の
 方が近いという事・親戚が集まりやすいという事・7月は農家の方が忙しいと言ったことがあげられます。

 お盆の本来の目的は、先祖を供養する事にあります。13日に先祖を迎え16日に送る。その時に使うのが
 きゅうりの馬とナスの牛だと言われています。きゅうりの馬で早く戻ってきてもらい、ナスの牛でゆっくりと
 帰ってもらうというわけです。

 私が子供の頃のお盆といえば、祖父母の家に親戚が集まり、料理を箸でつまみながら酒を飲むおじさん
 と日頃目立たないおばさんが盆踊りで輝いて見えた事です。楽しみといえば、盆踊りの後に貰えるお菓子。
 年に一度の大イベントでした。

 祖父母の家は自然に囲まれた所にあったので、夏の日差しの中を朝から遊びまわっているのですが、
 必ず家を出る前に言われた事があります。「お盆の間、殺生はしたらいかんよ」という言葉。いま思えば、
 お盆の時の料理は精進料理で、子供にとっては、食べにくい料理ばかりだったように思います。

 最近では、お盆休みとなると海外旅行を楽しんだりする家庭が増えています。日頃忙しい家族と皆で楽しい
 思い出を作るのも大切な事だと思います。しかし、年に一度先祖を敬い、精進料理に舌鼓し、子供達に
 「お盆の過ごし方」を教えるのも又大切な家族のイベントだと思います。「お盆の間はハンバーガーを食べない
 のよ」という教え方も今の時代にあった「食育」なのかもしれませんね。




         塩谷香名さんは小さいお子さんがいらっしゃる、とても素敵な
       お母様。
家事に育児に忙しい時期でも、食育の大切さを
       肌身に感じられ
勉強を怠らない姿勢には脱帽です。この
       エッセイからは、塩谷さんの
豊かな感性がひしひしと伝わ
       ってきますね!

 東京では、紫陽花の蕾がほころび始め、まさに色とりどりの花弁が顔を出す季節になりました。
 夏を思わせるような眩しい日差しの日も、春の初めを思い出すような風の吹く日も、まだ小さな
 息子と手をつないで毎日散歩をしています。


 その途中、小さな実をひとつ、息子が拾ってきました。青葉若葉に負けない綺麗な緑色の、固くて
 ふわふわな小さな実、そう、青梅です。
 青梅を見ると、あぁ、また今年もこの季節がやってきたんだな!とワクワクします。
 多分に漏れず、我が家でもこの時期は様々なものを漬ける時期なのです。
 青梅を見て思い出したように、まずは梅酒、らっきょう漬け、そして糠床をさぼって駄目にした年は
 糠床も作り直しましたっけ。せっかく色々漬けるのならと欲を出し、にんにく、バジル、ついでにピク
 ルスもと、なんだか漬け物三昧の日々が我が家にもやってきます。

 季節の移り変わりや旬のものを、畑や山や田んぼから見て取れない都会暮らしでは、小さな街の
 風景と、お店に並ぶ品々からでも、意識的に季節を感じとる事が大事なのかもしれませんよね。
 周りの若いママ達におばさんくさい、面倒くさいと言われても、季節を美味しく頂けるこの楽しみ、
 やめるわけにはいきません。

 そうして、今年はお手伝いが出来るようになってきた小さな家族も巻き込んで、手を痛くしながらも
 楽しんで、一緒に山のようならっきょうを剥くのでしょう。

 さぁ、まずはいつ「いい梅」や「いいらっきょう」に出会ってもいいように、沢山の瓶を消毒して準備して
 おかなくちゃ!こんな楽しい「旬の行事」、もっともっと沢山のおうちで楽しむようになったら、いいのにね。
 さて、皆さんのおうちでは、今年は何を漬けますか!?


       土井紫生さんは、とても勉強熱心で「食べること」について
           真摯に向き合っていらっしゃる方です。このエッセイを読んで
           「一日断食」やってみよう!という方が増えること間違いなし。

 「一日断食のススメ」
 最近、一日断食を始めた。4月初めに1回、2週間空けてもう1回。
 何でも、『ひとは、食べること以外でパワーを作り出す能力を持っているが、普段は食べることにのみ
 頼っているので、体がそれを忘れてしまっている。
 それは、例えば、大きい磁石と小さい磁石を並べて置いて、砂鉄をばら撒くと、砂鉄は、小さい磁石には
 見向きもしないで大きな磁石に吸い寄せられるが、大きな磁石を除いた途端、小さな磁石の方に吸い寄せ
 られるのに似ている』のだそうだ。
 確かに、じわ〜っと、体調が良くなってきた感じ。2回目が終わった頃からそう感じられるようになった。
 嗅覚が鋭くなった。お通じも良くなった。
 これって薬なんかじゃ絶対得られない感覚。家族のごはんを用意したって、目の前でパクパク食べられるの
 だって平気になってきた。いわゆる、「断食の達人」と言われるような、何度も、しかも長期の断食を経験した
 人(←日本人)の話では、肉は食べなくなったらしい。おいしいと思わなくなり、
 食べれば、体調も悪くなるので完全に止めてしまったのだそうだ。動物としてのヒトの食性が呼び覚まされて
 きたのだと思う。

 やってみたい!と思う方のために、簡単に手順を説明しておくと・・、

 @    断食前日     → 一食抜いてみる
 A    断食当日     → 水かお茶は喉が乾いたときに飲む程度
 B    断食明けの翌日 → 胃腸やその他の内臓に負担のかからない食事を摂り、3食かけて普通食に近づけて行く。
     (例えば、おかゆと消化の良い野菜から。おかゆも徐々に固くして行く)
      ※特に、肉、油もの、砂糖類、塩分の強いものは避ける。
 C 断食明けの翌々日→ 普通食(できるだけ、上記※は避ける方が良い)

 こんなカンジ。長期の断食は、食事を戻していく過程で難しいこともあり、経験者の下でやらないと、危険を
 伴うこともあるので、お奨めできませんが、一日断食ならやってみる価値ありです。
 断食は、大人が、赤ちゃんになって、おかあさんのおなかの中に・・と戻っていくようなシミュレーションをやって
 いるのだそう。だから、いつしか、子供の頃のように、ゆっくりと時間が過ぎていく、あの感覚が戻る日が来る
 らしいので(本当かなぁ・・私もう四十路なんですけど)、その日を夢見て続けてみようと思う。
 いかがですか?皆さんも。


       寺田直樹さんは、静岡県浜松でお米屋さんを営んで
       おられます。とても勉強熱心で、ご自身でも情報満載の
       ホームページを展開中。そんな寺田さんから、とっても
       ユニークなエッセイを頂くことができました。
       ました!必見です。 http://homepage2.nifty.com/terakome/

 イヌ派?ネコ派?
 どちらも人間のよきパートナーとしてで愛されている存在ですよネ!
 今年は戌年ですが、三代目の贔屓はどちらかといえばネコ。ウチの三匹のネコもグータラと毎日のんきで
 うらやましい限り。生まれ変わるならぜひ飼い猫になりたいなんて思ってたりして・・・。
 そんな我が家にもかつて犬がいました。白い雑種の穏やかな犬でよく言えばマイペース、悪く言うと飼主に
 媚びないペット的でない犬。彼は一八年の天寿を全うした長寿犬でしたが、先日の新聞に面白い記事が載っ
 ていました。
 日本古来の犬、つまり柴とか秋田、甲斐といった日本犬には魚が必要だというのです。というのは痴呆犬の
 血液を調べた結果、EPAとDHAといった魚に多く含まれる不飽和脂肪酸の割合が明らかに低下していたと
 のコト。今でこそドッグフードですが、かつて犬のご飯の言えば残飯に味噌汁が一般的。つまり和食の残り物
 を食べてたんです。遺伝子的に日本人の食生活の影響を受けてきた存在が日本犬だったワケで、その食事が
 陸上動物のタンパク質を中心としたドッグフードに変わった結果、痴呆犬の八割近くを日本犬系が占めるという
 調査結果に・・・。でもはたしてコレって犬だけにいえることなんでしょうか?
 食生活が変化したのは犬だけじゃないはず・・・。もっと大きな変化を経験しているのはその犬の飼い主たち、
 つまりわれわれ日本人。現在の高脂肪、高タンパクのいわゆる洋風の食生活になったのはたかだかここ三十年
 のこと。それまでは日本の気候や日本人の体質に合わせた食生活があったというわけです。
 身近な例でいうと牛乳。ちなみに明治の初め、牛乳は牛の子供が飲むモノで人の飲み物ではありませんでした。
 日本人は体質的に牛乳が苦手で、実際に牛乳の成分を消化分解できる酵素を持つのは乳児ぐらい。成人では
 北緯五〇度付近に住む人々のうち、古来より乳製品を食習慣に組み込んでいた地域の人間に限られるようです。
 日本は北緯三八度ぐらいですから、つまり該当しないってコト。牛乳嫌いを格別気にする必要は無いってことですね。
 結局、米、麦、豆、魚、葉っぱで作られてきた日本人の身体はその類に属する食物をとることで健康的に維持される
 ようにできてるみたいで・・・。そこで最近教えてもらった言葉が頭に浮かびました。それが土地と身体は切り離せない、
 つまり食べる物と気候風土は一体ですよって言う意味の「身土不二」。
 犬のことと片付けておいていい話ではなさそうです。




         佐伯明香さんは、堆肥飼料について研究され作っておられる
       とっても素敵な女性です。農地の現状、環境など、実際の
       現場に関わっておられる方からのお話には、説得力があり
       ドキッとするとともに自らを反省することも多いですね。
       そんな貴重なご意見をまとめて下さいました!必見です。

◆ 第1期生 佐伯明香さん ◆

 生物はすべて自然の循環の環(わ)の中で生きています。
 でも人間だけが環からはずれ、自然に還らないゴミを作ってしまいました。
 畜産廃棄物や食品加工時の廃棄物もその一つ。
 これまでの私の仕事は、このような廃棄物を自然循環という環の中に戻すこと。
 それが、堆肥や有機肥料です。
 畜産廃棄物は本来自然に戻るもの。でも、自然に戻りきれない状態で大量に放り出されると、
 地球つまり自然が持っている浄化能力をこえてしまいます。
 私たちが作り出したゴミは私たち自身が自然に戻してゆく義務と責任があると感じます。
 ところで、今年もこの時期になりますと、ぼかし肥料の生産をはじめます。
 日本にたくさん見られる竹山から微生物を採取し、食品廃棄物といわれる原料(米ぬか、魚粉、
 油粕などなど)を発酵させてつくる有機肥料です。日本は発酵文化といわれていますね。
 まさにこの肥料も微生物の力をかりて発酵させるのです。納豆をつくる菌やお酒を作る菌、味噌を
 つくる菌など日本の発酵食品につかさどる微生物のおかげで出来上がります。
 だから発酵するときの香りもお酒や味噌のようなあまい香りがします。そして、できた肥料は農業の
 基本である土作りのため、土に戻されます。
 そうやってできた土から作られた作物は、ほんとうに数え切れない生物(微生物)と自然の力のおかげ
 で成長し、その恩恵は私たち人間がいちばん受けているのです。
 残念ながら、現在の農産物は「商品」となってしまっているような気がします。あまりにも農業に携わる
 人と都市などで暮らす人がかけ離れ、また伝統食に接する機会も少なくなってしまい、自然の恩恵に
 感謝する気持ちを忘れかけているような気がします。
 もっと自然の力を、たくさんの人に感じ、感謝してもらいたい!
 今の私の気持ちです。
 実は私も農村で生活したことがありません。昔から農業を行っている方からするとただの「あこがれ」の
 ようにみえるかもしれませんが、だからこそ、私自身ももっと自然の力を感じたい!と思っています。
 そんな中、とうとう今年から実際に農業をはじめることになりました。阿蘇の赤水という地区で農業を
 おこなえることになったのです。「阿蘇デザインファーム」という名称をつけさせてもらいました。
 この場所に住んでいる人たちは昔から健康で、血圧などの病気にかかる人がとても少ない土地だそう
 です。また、ここは地名のごとく土が赤く、その土にはたくさんのミネラルが含まれています。
 ベンガラといえば皆さんもご存知かと思います。神社の鳥居などに塗られていたものです。
 この土地でできた農産物を食べ、おいしい水を飲み、自然の恩恵をたくさん受けて健康にくらすことが
 できてきたのです。
 まだまだ、「食」について語ることはできませんが、この地で、本来自然な作物が持っている栄養たっぷり
 の野菜を作り、いろいろな人に来てもらい、それこそ土作りから体験してもらい、食の大切さ、楽しさ、
 日本の食文化などについて感じてもらい、感謝してもらえる場ができれば・・・と模索中です。




      持田怜美さんはお子さんがいらっしゃると思えないほど、
      スマートで素敵な方!とても勉強熱心で、雑穀ソムリエの
      資格も取られたとか。玄米、分つき米、雑穀の良さを
      伝えられる食育を考えておられ、フードアプローチの関東での
      活動を助けてくれています。心より感謝!です。

◆ 第1期生 持田怜美さん ◆

 私は、兵庫県西宮市から横浜のお米屋に嫁いで11年になります。毎年年末には、「お供え餅」や、
 つきたてでまだ温かい「杵つきのし餅」のご注文を承り、配達をしています。嫁いだ11年間だけを
 見ましても、ご注文の数が かなり減りました。減った理由をよく考えて見ますと、時代と共に日本の
 生活スタイルが変わり、日本の文化や、伝統ある風習が無くなって来たからだとお思います。
 ですから、若い方程、お餅を飾ったり、食べる習慣が無くなり、また、以前、お餅をたくさん召し上が
 られた方々は、お歳を召され、のどに詰まらせる恐れがある為に食べなくなり、ご注文数が減って
 来たのでしょう。
 昔、年始は、殆どの店が休業の為、31日には スーパーや専門店へ行き、食材等を買いだめした
 ものです。そして、家族で大掃除をして年越しそばを食べ、おせち料理も作り除夜の鐘を聞いて、
 家族間で新年のご挨拶をしました。
 最近では、24時間営業のコンビニや元旦から営業しているお店が殆どです。ですから、買いだめする
 必要もありませんし、おせち料理も作らずに購入したり、年末年始は、家族で旅行する方も増え、
 昔の生活スタイルが、ガラリと変わってきました。
 そうやって、時代が変わると共に 日本の良き伝統が失われてきました。私の事を考えましても、
 失わせていたその一人だと気付くのと同時に、大変、後悔しています。
 それは、母の味や習慣をきちんと、受け継いでこなかった事です。母は64歳で、3年前に他界しました。
 自分の下の子供が、学校へ入学するまでに成長し、母が他界している現在、食育デザイナーの資格を
 頂き、食育を考えていく内に 母親から受け継ぐ母の味、習慣、風習を受け継いでゆく事こそも食育で、
 良き日本の文化・伝統を守ってゆけるのだと強く思いました。
 先日、母が他界して 初めて黒豆を炊いてみました。
 味見しながら、記憶の中に残っている母の味を手繰り寄せ、生姜が入っていた事にいき着きました。
 そうやって、母の味は、ずーっと大人になっても 忘れられないものです。
 嫁いだ今は、主人の母から受け継ぎ、子供へと継承してゆきたいと思います。親から子供へと継承して
 ゆく家族が、ひと家族づつでも増えてゆけば、良き日本の文化・伝統がしっかりと守られてゆくと確信
 致します。



      
      上田園子さんは京都のお米屋さん。
      繁盛店を切り盛りしながら子育ても楽しむ、
      とっても素敵な女性です。一緒にいる人も元気に
      してしまうパワフルさと発想の豊かさに関心することしきり。
      このエッセイを読んだら、みなさんもきっと
      温かい気持ちになって頑張る力が沸いてくることでしょう!


◆ 第2期生 上田園子さん ◆  「おかわり」

 「おかわり〜」と娘がお茶碗を差し出すと、口では「まだ食べるの?大丈夫?」などと言いながら、
 本当はとっても嬉しい私。子供が元気にごはんを食べてくれる様子は母親にとっては本当に
 嬉しいことです。商売をしていて、なかなか子供と向き合う時間がない私にとって、食卓を一緒に
 囲むひとときはきちんと子供の顔を見て話ができる貴重な時間。食育の勉強をして改めて、
 食そのものの大切さはもちろんの事、食環境の大切さを考えた時、後者において我が家は本当に
 恵まれていると思いました。店をしているので、家族全員が揃ってというのはなかなか難しいのですが、
 店番をしてくれる義父のお陰で私は子供たちと揃ってごはんを食べることができます。
 義母も一緒だし、主人も大抵は一緒に食べることができます。
 個食(孤食)は我が家ではあり得ないし、私が忙しくて食べ終わってすぐに店に
 出なければならない時も、後は義父母がしっかりフォローしてくれて、食べるのがとても遅い下の子に
 いつも最後までちゃんと付き合って、食べ終えさせてくれます。
 私一人ならきっと「早く食べなさい!!」と毎日叱っているに違いありません。
 また、父や母と一緒に食事をすることで、自然と食事の内容も和食が多くなり、特に上の子は本当に
 何でもよく食べてくれる子に育ちました。

 食環境は考える以上に、人に及ぼす影響は大きいと思います。どんなに栄養価が計算された食事を
 きちんと摂っていても、それが冷めた食事で孤独な食卓だったらどうでしょう。逆に時にはファースト
 フードだってインスタントだって、みんなでワイワイ言いながら食べた楽しい食事は、きっと子供の心に
 残るでしょう。ちゃんとした料理を作らなきゃ!と、いつもいつも頑張ってする必要もないと思います。
 無理は続かないし、料理をする母親自身が楽しまないと、食卓は楽しくならないと思います。
 だから、やれる時はやる。できない時はできないでいい。まして、今の世の中、みんな忙しい。
 外で働くお母さんの家では、子供の個食も仕方ないのかもしれません。我が家だって、父や母が
 いなければ子供たちはきっと子供たちだけの食卓になっているかも・・・、と考えると、個食も他人事
 ではありません。これからの時代の食育は「個食がいけない」と批判をするのではなく、現実問題
 そうならざるを得ない家庭に応じた食育が必要とされると思います。
 私自身、自分の子供の頃の食卓の風景をよく思い出します。私も祖父母と一緒に暮らしていました。
 みんな食べることが大好きで、料理をする母は大変だったと思いますが、いつも楽しんで作って
 くれていたと思います。自分の娘たちがいつか母親になる日がきた時、ひとつでも多く楽しい我が家の
 食卓の風景が思い出されるように、私もできる限りのことはしたいと思います。




       岡戸裕子さんはとっても読み聞かせがお上手。すっと心になじむ
       優しい声で、語りかけるように文章を読まれます。
       きっと楽しい料理教室を開催されていることでしょうね!


◆ 第2期生 岡戸裕子さん ◆

  私は毎月、小学生を対象とした料理教室での調理を通して、絵本を読んだり、お話の中で「食育」の
  ことを学んでもらっております。毎回、レジメをつくり、お母様方に読んでもらうように、家での「食育」の
  手助けになればとお渡ししている中から・・・・・

  ○「日本食を見直そう」  ご存知ですか?『まごはやさしい』ということば?

  ま・・・・まめ 「まめに暮らす」ということばのように元気に生活できるように!
          納豆・とうふ・みそ・しょうゆといった大豆の加工食品を食べよう!
          日本人の健康を守ってきた代表的な食品です。1日のうち1回は食卓に!

  ご・・・・ごま 奈良時代に日本伝わった伝統的な食材です。
          ビタミンEを多く含んで血液サラサラに!
          毎日大さじ1ぱいを!ごはんにふりかけて!野菜のごま和えに!

  は・・・・わかめなどの海藻類
          食物せんいやミネラル・ビタミンなどの栄養がたっぷり!
          "かいそうはノンカロリーなので、肥満予防に"
          漢字で「若芽」と書くことからもわかるように若返りの効果あり!

  や・・・・やさい 旬の野菜は栄養満点!
          「生(なま)で食べる」「ゆでて食べる」「煮て食べる」「炒めて食べる」
          緑黄色野菜・根菜類(だいこん・ごぼう・れんこんなど)をバランスよ く食べよう!

  さ・・・・さかな 肉のあぶらは固まるでしょ。魚のあぶらはかたまらなくて血液を
          サラサラにしてくれます。魚を食べてじょうぶな骨をつくりましょう!

  し・・・・しいたけなどのきのこ類
          骨をじょうぶにするにはカルシウムだけでなくビタミンDの助けが必要です。
          "生しいたけ20分日光浴をさせてビタミンDがぐんとアップ"

  い・・・・いも類 でんぶんがたくさん含まれています。でんぷんを加熱すると消化が
          よくなり、からだにすばやく吸収されて、エネルギーにかわります。    
          だから、パワーがついて、かぜも引きにくくなりますよ。

  ○「オカアサンヤスメ」メニューはなぜいけないの?

  オ・・・・オムライス
  カア・・・カレーライス
  サン・・・サンドウィッチ
  ヤ・・・・ヤキソバ
  メ・・・・目玉焼き

  どれもやらわらかいたべものですね。固くてよくかまないといけないものはありませんね。
  よくかむと、あごや口の筋肉が運動します。その運動が頭の血液の流れをよくしたり、脳の
  はたらきをよくしてくれます。「オカアサンヤスメ」メニューをできるだけなくして、「まごはやさ
  しい」といった伝統的な日本食のメニューにしましょうね。


      

       田中真太郎さんはアクト中食株式会社で、日々食のお仕事に向き
       合っておられる方です。関わっておられる生産者の方々が、まだ市
       場に出回らない色んな野菜を作っておられ、ぜひ紹介していきたい
       と言っておられます。 白茄子・パタビアレタス)・セニョリータ(パプリ
       カの小さくて高糖度)・ドラゴンフルーツなどなど。
       どれも食べてみたいものばかりではありませんか?
       ご希望の方は、フードアプローチまでメールでご連絡下さい。   
  

◆ 第1期生 田中真太郎 さん ◆

          「ある中学校の家庭科授業について」
 
  自分と同級生で、家庭科の教師をしている友人より、自分に管理栄養士・調理師なんだから、
  『家庭科の料理の授 業で生徒達が、面白く興味を持ってもらえる様な、授業をしてみたい』と相談され、
  一番単純な『素材の食べ比を しないか』と持ちかけて、実施してみました。
  生産者の皆さんにも、協力の依頼をして、実施については、同じ市内の2校で、同一学年の5クラスで
  実施しました。
  内容的には、トマト生産者の方々が、自信を持って出荷しているトマト5品種〔有機と特別栽培〕と学校の
  近所のスーパーで、普通に売られているトマト5品種。授業が始まり、先生が、『今日は、トマトについての
  授業をします』って、言うと生徒の皆さんは、口を揃えて『エー』って、一寸?100%?嫌だなぁーと言う
  雰囲気でした。実際、自分も、この場に居るのが、嫌だなぁーと思いました。
  トマトって、好きな野菜や嫌いな野菜の上位にランクされているから?そんな雰囲気の中、トマトの品種、
  それぞれの特徴の話をして、実際に食べ比べて、一つ一つのトマトについての感想を生徒さん達に聞いて
  行く中で、一番、多かった感想は、『トマトにこんな種類があると思わなかったし、味がこれ程 違うって、
  知らなかった』実際、食べ比べの後のアンケートで、嬉しかったのは、『今迄、トマトは嫌いって、食べな
  かったけど、これからは、どんな品種なのか?甘いのか?水っぽいのか?味わって食べます。農家さん
  美味しいトマトお願いしますー!』このアンケートを生産地の農家さんのグループの勉強会の時に伝えた所 
  農家の皆さんの顔がニンマリと微笑んで嬉しそうだったのと生徒の皆さんが、トマトをパクパク食べている
  姿がとても印象に残りました。
  この後、生産者の方々と消費者の方々で、生産地でのディキャンプの実施をして、またまた、面白い事が
  ありました。それは、また・・・・

      

       山根美奈さんは4歳の子どものおかあさん。
       毎日楽しく子育てに奮闘しながらも、暮らしを素敵に演出されて
       いらっしゃいます。
       頭では分かっていても、食育の大切さを実感し家庭で実践する
       のは本当に大変なことですが、空き時間をみて、保育ボランティ
       アにも参加する山根さんには本当に脱帽です。
       そんな山根さんの素敵なエッセイをお楽しみ下さい。

◆ 第2期生 やまねみな さん ◆

         「食べることの幸福を伝えたい、はじめの第一歩」
 
  今の時代ほど、食の自由な時は無いように思います。毎日CMで食べ物の新商品、美味しそうな
  お菓子が流れます。スーパーに行くとその商品が売っています。一度は食べてみたいと思わせます。
  うちの4歳のチビも私の手作りより、チルド餃子、冷凍唐揚げ、レトルトカレーを買ってとせがみます。
  とほほ・・・
  今、子供に伝えたい食とは、『楽しい食卓、みんなで同じ物を食べるおいしさ、幸せ』です。
  一人で食べる食事、コンビニ等で食べたいものが手に入ります。気が付くとおのおのが違う献立の
  食事を食べるのが普通になってしまうかもしれません。
  その前に、せめて楽しい食卓を体験してほしいのです。では、その『楽しい食卓、みんなで同じ物を食
  べるおいしさ、幸せ』を伝えるにはどうしたらいいのかな、と考えました。
  すると、やはり、季節のいろいろな行事とそれにまつわる食べ物をみんなで食べるのがいいと思います。
  (みなさん、お勉強済みでしょうが)
  歳時記にこだわらずともお誕生会でもいいじゃありませんか。何かうれしいことがあった日のメニューが
  あってもいいですね。いつもは「お肉ばっかり食べずに野菜も食べなさーい」と言うところをその時こそ、
  大好物を沢山作ってたべさせてもいいかなと思います。楽しいひとときをはじめの第一歩として食べる
  ことの幸福を感じてほしいです。
 
  もう一つ、家族の味を作りたいです。
”  もうちょっと甘い方が”とか”○○を入れてみようよ”とか家族みんなの意見を取り入れながら、その家の
  歴史の詰まった料理を作り上げたいです。お袋の味もいいですが、ここはもう一歩進んでみんなで作る
  味があれば楽しくなるような気がします。
  みなさんのおうちには”家族の味”はありますか?
  どのようなエピソードがありますか?
  すでにお持ちの方はきっと素敵なお話があるような気がします。


               

       岡部真奈さんは食育デザイナー最年少です。
       現在はご実家の会社を手伝われるとともに、ご自身で無
       農薬野菜を栽培されているそう。夏野菜の収穫時期は7月
       中旬で、フードアプローチでも分けていただくことになって
       います。


◆ 第1期生 岡部真奈さん ◆

  「食育」を勉強していくうちに、結局は「コミュニケーション」なのだという事に行き当たりました。もち
  ろん、「食」は大切です。単に「コミュニケーショ
ン」と言いましても形は様々です。家族や友人と食
  べる食事、その中にはたくさんの笑い・意見・想いなどが
含まれています。その場所、場所の雰囲
  気も手伝い、普段ではなかなか
話せない心の内や、それぞれの想いを話す事ができたりしますよ
  ね。
同じ空間を共有していると言う事も、一つ大切な要因ではないかと思います。
  私の小さい頃を思い返すと、夕食のお手伝いや夕食の席で今日一日起こった楽しかった事、悲し
  かった事などを家族のみんながそれぞれ話していた
記憶があります。近年共働きの家庭が増え、
  家族揃っての食事が難しくなってきているのは
事実です。でもそうした中で、少しでも多くの時間を
  共に過ごせるよう努め
行くことが必要なのだと思っています。目を覆いたくなるような事件を耳に
  する度、コミュニケーションの必要性を
感じ、同時に「食べ物」がとても重要な役割を果たしていると、
  感じています。

  私は農業に携わる仕事をしていますので、全国各地から「こだわりの食材」
よく届けていただきま
  す。私自身、恥ずかしながら農作物の知識がなく、勉
を兼ねて昨年より小さいながらも菜園をし、
  無農薬栽培で野菜を育てている
ですが、植物の「生きよう」とする力に感動しました。また、今まで
  野菜だ
と思っていたものが形だけのものだったと再認識しました。一般の消費者の方もそうしょう。
  「本当の姿」を知らないがために、形・色・ツヤなどで味を判断し
てしまう。忘れてはいけないのが、そ
  の野菜を作るためにどれだけ人力・愛情が込めら
ているか。暑い日も寒い日も、そして台風の中で
  も、生産者の方々は本物の
農産物を創るために努力しておられます。その長年の努力もあり、最近は
  消
者の方々も本物志向になってきました。
  形・色・艶の見た目重視でなく、中身で勝負!という時代に変わってきたのは、食材だけでなく人もそ
  うだと思います。つい最近まで学歴社会だったのが、
柄や中身を重視するようになってきました。
  「有名進学大学を卒業していて
仕事が出来ない」を食材に置き換えると「形や色が良くても栄養価が
  少な
い」と、イコールになっているように感じます。時代の流れから見ても、食べ物がいかに重要なポ
  ジションにあるか、「食事」がどれほど大切なものかが分かりま
す。
  しかし、いい食材を入手しても食事が「おいしく」なければ意味がありません。コミュニケーションを図り、
  家族で、友人で、みんなでホンモノの農産物を
感謝していただく。それで初めて生産者の方々の真心
  や情熱・愛情を感じること
できるのかもしれません。
  『いただきます』と言い、家族揃って食事をする。食材の命に、生産者の方々に、食材を入手するために
  働いてくれている人達に、『いただきます』『ごちそ
うさまでした』には、本当に色々な意味が込められてい
  るのだと改めて気付きまし
た。今から、『いただきます』と『ごちそうさまでした』を心から感謝を込め、
  そしてコミュニケーションを大切に、食事をより一層おいしくいただこうと思います。

               

       新江 悟さんは食育デザイナー最年長。戦争
       経験もおありで、人生の醍醐味を味わわれ、いつも穏や
       かでいらっしゃるのでホッとした空気が漂います。新江さん
       のスリランカカレーがとても美味しいと評判なので、試食会
       と1日講習会をお願いしているところです!


◆ 第1期生 新江 悟さん ◆

              『先人の教え』

  『先生、山に行ってご覧(ろう)じませ』 このことばは、幼稚園も本屋もない寒村の、官舎兼事務所
  の一室で、古老から聞いた。山での育林の真髄を指し示したものであった。木を育てるには、まず
  山地の環境を知ること、草や木がどのように芽を出し、成長しているかを知らねばならない。そのた
  めには、単なる育林知識は無用とも言える。ことの本質に体当たりせよということであった。
  この古老の教えは、私の人生、ことに子供の養育を確かなものにする動機になった。私は、寒村の
  現場生活の中で、仕事と育児を両立するかたちで体当たりすることになった。子供は、大自然の中
  で遊び、感動し、自立し、集中力を体験的に身につけることになった。都会の高校教師をして、『天衣
  無縫の子ども』と言わせていた。

  いま、学力の低下が問題になっている。原因の一つに数学理科の学力不振をあげている。しかし、
  学力の低下は、子どもの情緒不安定、集中力の欠如に原因があるのではないか。じっくり考えられ
  ない子どもが増えている。このことで、家庭の食事風景の如何が見えてくるようになった。子どもの
  個食や孤食、父親の家庭教育からの逃避が目につく。しかし、ある意味で食育に関心が生まれてき
  たのは嬉しいことだ。ただ料理の仕方や、しつけだけが走ってしまうのは考えもの。おいしい料理や、
  それを家族全体が挙って囲み楽しむ雰囲気の醸成こそいま望まれることではないのか。わたしは、
  先人の教えを今一度生かしたいものだと思っている。


               

       粟野安史さんは大豆を扱う「三倉産業株式会
       社」の 社長さんです。幅広く、深い知識をお持ちで、後進
       の指導に大変熱心でいらっしゃるダンディーな方です。


 第1期生 粟野 安史さん 

               
〜21世紀に生きる君たちへ〜

  司馬遼太郎が小学校用教科書に書いた.「21世紀に生きる 君たちへ」という文の中の言葉です.

  自然物としての人間は,決して孤立して生きられるようにはつくられていない
  このため,助け合うということが,人間にとって,大きな道徳になっている.
  助け合うという気持ちや行動のもとのもとは,いたわりという感情である.
  他人の痛みを感じることと言ってもいい.
  やさしさと言いかえてもいい.
  「いたわり」   「他人の痛みを感じること」    「やさしさ」
  みんな似たような言葉である.
  この三っの言葉は,もともと一っの根から出ているのである.
  根といっても,本能ではない,だから,私たちは訓練をして
  それを身につけねばならないのである.             (大阪書籍「小学国語」6年下)

  助け合うことは,人間が正しい行動をするための守らなければいけない行動規範で,それは訓練をしては
  じめて身につくものということである. 翻って自身,いたわりの訓練などしたろうか?子や孫に意識的にさ
  せていただろうか?私は,食育の定義を「食の文化を伝え続けることによって,生活の技を身につけること」
  としていました.生活とは,衣,食,住,交り,働く,好み(趣味)の六事のことです.
  技を身につけるとは,心を養うこととイコールでなくてはいけないのでしょう,食育は「心を養う」訓練の場を
  提供していく活動でもあったのです.
  21世紀を生きる人たちへ,ほんの少しでも,食育という活動が役立つことを信じております.


               

        田辺聖一さんは全国愛農会で大活躍中の
        行動的な方です。日々栽培に関わる生活から、感性
        豊かなエッセイを送って下さいました。言葉の豊さは、
        食の豊かさに通じますね。


 第1期生 田辺 聖一さん 

  三寒四温を繰り返しながら生き物のように季節が歩く。毎日の日差しの中に少しずつ春のつぶつぶが増え
  ていき、さらに 香りが心をくすぐりながら新緑の躍動感に希望の息(意気)を吹き かけて過ぎていくのが感
  じられる頃になった。夏野菜の苗作りの季節だ。
  地域によって多少のずれはあるが、じゃがいもも植え付けが済み、 田んぼの準備もそろそろ始まりだす。
  これを読んでいる皆さんは種や苗を見るときどの段階からたべものという意識を持ちますか?

  つくる人によっては畑の土づくりをするところからおいしいたべものが育っていくのをイメージしてますし、収
  穫の時は食べている人の顔までイメージしています。愛農会を作った人は30代の時に夫婦で肺結 核にな
  り、医者がさじを投げ親戚まで呼んだのですが、ある日たべもののことをよく知っている人が見舞いに来て顔
  を見るなり、「あなたはお母さんが3歳までにいいものを食べさせてくれているからまだ死なない」と言ったそう
  です。
  その日から食べものを変え、昨年94歳で亡くなるまでパワフルな人生を過ごされました。(奥さんはまだご健
  在) 三つ子の魂百までと言う言葉がぐっと迫ってきますね。
  しかし自然は、私自身が気づいたときから未来は変えられると言うことも教えてくれています。飽食の時代に
  あっては見えないものがたくさんあります。楽しく学べる交流をしていきましょう。


                 


 
      斎藤寿寛さんはシルバーアドバイザーとして、
       積極的に活動されるパワフルな方。人を笑わせ、いつも
       楽しい講演をされます。


 第1期生 斎藤 寿寛さん        
             
                        
 「食育アラカルト ABC

  2月12日に開催された食育フォローアップセミナーの懇親会の席で、岡部産業〔梶lの岡部様より次の
  話しをお聞きし、私なりに感じることがあり、その内容を下記に記載します。
  とある小学校の給食の時に先生が生徒にいただきますと云わせたところ、ある生徒の両親から何故
  いただきますを強制するのかと猛抗議を受けました.理由はちゃんとお金を払つて食べているのだから
  強制される筋のものではないとのことで、担当の先生では対応出来ず職員会レベルの問題となり対応策
  として笛を吹いて食事をスタートするようにした・・・とのことです。常識人にとっては何か変だなあと一様に
  感じると思いますが、この問題に直面した場合的確に対応出来るか心配な面もあります。
  それはいただきますとの文言に対して一般の人は食を与えてくれている人に対して感謝の意味が込め
  られている認識が強く、動物及び植物の命をいただくと言うことを知っている人は少ないからです。
 
  一般の人にとって食育とはあまりに身近すぎて、実はあまり知っていないのに知っているように錯覚してい
  る事柄だと言えます。(例えば栄養バランスの問題、歯の大切さ、食を通じての家族とのコミュニケーション
  の大切さ、食を通じての日本文化及び四季との関わり、等) 
  従って我々食育デザイナーは習得した知識(知恵)を向こう三軒両隣から地域住民へ地道に啓蒙活動をし
  ていくことが重要だと思います。
  私自身既に今年1月食関連の民間企業、介護事業者の研修会で啓蒙活動をスタートしました。今後私の
  住んでいる南春日丘自治会の主婦への講演(約40名2月27日予定)を皮切りとして以後各自治会に展開
  を予定しています。




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