食育デザイナーのビジョンと役割
ビジョン
日本人の健康を支えてきた伝統食の価値を、今こそ十分に発揮すべき時代です。
その価値を再認識することで、健康な体と健全な精神を取り戻せるでしょう。
現代にマッチした本当の意味での豊かな生活を目指し行動する人材、それが
食育デザイナーです。
◇伝統食の価値と内容を広く一般に知らせ、食を通じて健康に奉仕する。
◇子供たちを農場や自然の中に連れ出し、自分との関わりを認識させ、「いのち」を大切にする心を育む。
◇食源病と言われている生活習慣病やアレルギー、精神疾患などを、食を通じて改善する指導を行う。
◇食と運動をテーマとした指導者を、高齢者も対象として養成し「生きがい」を与える活動を行う。
◇食料自給率向上により、日本農業を守る
主旨と目的
食を通じて子供の心、大人の心の活性化を図る
穀物を主体とした日本の食は、いかに上手に噛むかが栄養吸収面でも、脳の活性化の点でも大きな意味を
持ちます。 咀嚼は「歯という臓器」の活動であり、この臓器をフルに活動させることで栄養素の吸収は高まり、
脳も活性していきます。かみ合わせが変化するだけで、アルツハイマーの改善にも効果が現れるほどです。
また、心の働きや感情と食生活の関わりは、生活習慣病予防、切れる子供や摂食障害などの症状に大きく影
響するものとして、学ぶ価値のあるものです。食の教育を、料理や素材などの直接的なものだけでなく、多角
的な方面から知識をつけることで、広く社会に貢献できる人材を育成します。
日本人の食文化を見つめ直し、次世代へ継承する
昨今は、西洋栄養学を核とした食生活提案が大多数を占めるようになりましたが、人間の栄養吸収力は
計算通りには行きません。まして、私たち日本人が欧米人を基準としたこれら栄養学を採用することは
高たんぱく、高脂質の食事となり、生活習慣病を推進するようなものなのです。 明治9年(1876年)に
来日し、その後30年間日本に滞在した医師のベルツは、東京から日光の、 馬だと6頭を乗り換えて14時
間かかる道のりを、たった1人で14時間半で走りきった人力夫に驚き、その食事を調査しています。
自分の栄養学知識とかけ離れた食習慣を持つ人力夫に肉食をすすめたところ 疲労が激しく走れなくなり、
「元の食事に戻してほしい」と頼まれたと残しています。
日本人と欧米人の食性の差を多くの方に知っていただき、日本人の健康を守り、食文化を継承していく
活動を全国的に展開します。
食材産地と消費者の距離をつめる
現在の「食」はグルメの観点からのみ捉えられている様相を呈し、「食」を通じて形成されてきた日本
独特の食文化継承が危機に瀕しています。
人の身体は毎日の食事から得た栄養素で形成され、精神はその肉体に宿ります。それほど大切な食料を
外国に依存すると、日本人の精神もまた変化するのは当然のことでしょう。特に、都市圏に暮らす子供たち
の農業や食の大切さに関する知識レベルは、相当低いと思われます。今ここで日本の食の基本に立ち返り、
食材を生産する産地と消費者との距離をつめる必要があるのです。
そういった観点から、小学校の総合学習では農業体験が重視されていますが、指導すべき大人たちの知識
レベルにもあやふやさがあり、日本社会全体で日常の食生活に対する意識向上を図らなければならない時
代 になってしまいました。 自らが知識習得し経験するだけでなく、「実習指導ができる・皆に食を意識させる
・人を説得できる」食育 スキルを身につけた人が、様々な場で身近な食育を実践してほしいと考えます。
聞く耳を持ってもらうためのコミュニケーション能力や核となる考え方を学び、家庭や学校、企業で広く知らし
めるリーダー的人材の育成を目指します。
食育デザイナーの価値
◇社会全体の食への意識を高め、生活習慣病の一次予防や健康増進効果を促進するとともに、 医療費削減
に寄与し社会的コスト低減を図ります。
◇食をテーマとするセミナー講師、講演活動を通じて、あらゆる年代層に向け食の大切さを啓蒙できます。
◇コンセプトを明確にした、質の高い地域活動に役立ちます。
◇家庭内で伝えることが難しい食文化を、日々の食事を通して伝えることができます。
◇日本人の体質にあった食育の提案、活動ができる人材となります。
◇食材を生み出す農村・漁村の活性化に役立ちます。
◇企業の社会貢献活動の一環として、消費者支持が得られます。
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